2015年9月26日土曜日

第27回目:札幌中央卸売市場の見学

今日は大人の社会科見学!朝6時集合ですよw

【実習】札幌中央卸売市場の見学

市場は朝早くから大変活気があります。ターレー(ターレットトラック)がビュンビュン走り回っておりまして、ぼーっとしてると引かれますので要注意ですw

そもそも一般人は滅多に入れない場所ですから、めっちゃキョロキョロしてしまいます。卸売会社の丸果札幌青果さんに案内いただきました。

ポーラスターという銘柄のホウレンソウ。札幌ですと主に清田区で生産されています。見るからに美味しそうですね。ただ、消費者は見た目にとても厳しいとか。ちょっとでも虫食いの穴があると、途端に売れなくなるそうで。まぁ、スーパーでずらっと並んでいるものを取る時は、見た目が綺麗な方を取るでしょう。そのために、プロの農家さんは大変な苦労をしているわけです。

虫に食われないようにするためには、農薬をかけるのが一番です。でも、昨今では農薬をなるべく使わないようにする方向ですが、薬を使わずに全く虫に食べられない葉物を作るのは、まず不可能です。虫を一匹も入れない施設の中で栽培すれば可能かもしれませんが、じゃぁ、1個100円のものを作るのに、どれだけ設備に投資できるのでしょうか?

穴が空いていなくて、形が整っている野菜「だけ」が並んでいる野菜売り場って、めちゃくちゃ不自然なんだけども、そういう不自然なものを自然に任せて均質に作ることは不可能なわけで・・家庭菜園で採れた野菜は、みんな気にしないのにね。

札幌黄の初セリ

たまたまこの日は札幌黄(タマネギの在来種)の初セリの日でした。メディアもたくさん取材に来ていました。

みてください。ご祝儀価格、5kgで1万円!すごい!

ちなみに、せりの独特の掛け声、何を言っているのかさっぱりわかりませんでしたw

たくさんの野菜たち

こちら、ニセコの男爵です。中が見えるように切ってありますね。

季節柄、キノコ類も出ています。

マツタケ、39000円の値が見えますね!

こちら、インゲンですが、見たとおりきちんと並べて箱詰めしているところもあれば、無造作に入れているところもあり・・。

上から見てみる

二階から見下ろせる場所があります。そこからの光景はこんな感じ。

レゴの街か!というツッコミをいただきましたが(笑)確かにそんな感じがしますね。それにしても、これらが全てその日のうちに捌けてしまうというのだから、驚きです。

見学後

見学をした後はいろいろとお話を伺う事が出来ました。まず驚いたのが、市場には登録さえすれば誰でも出せる、ということです。農家である必要はありません。これはちょっとびっくりです。

最近では大手の小売や直販など、市場外流通が多くなってきているが、市場の役割の一つとしてはある種「バッファー」的な役割を担っているとのことです。つまり、取れすぎた、とか、規格外になってしまった、などという場合でも、余すところなく買い取ってくれるのが市場の良いところであると。

また、毎日大量に農産物が入ってくる市場ならではの視点として、最近では販売ロットが小さくなってきたというのも印象的でした。ネギ1本、ジャガイモ1個、という世界であって、ハクサイやキャベツなどの大きくて重たい野菜は1/2、1/4、1/8カットで、という世界です。今、生野菜と加工の比率は 40 : 60 だそうで、調理時間が長くかかるものが特に売れづらくなっているとか。

その他も、ここには書ききれないほど有用なお話をたくさん聞くことができました。大変有意義な大人の社会科見学になりました!

ちなみに

この後、有志で先生の農場に見学行きました。やはり、一通り学校で勉強した後に実際の現場を見ると、今まで見えなかったことが色々見えてきますね。とても参考になりました。しかし、みなさん口を揃えて言うことは、「畑があればなぁ・・」という言葉。ホント、場所さえあればいいのですが、これだけ耕作放棄した場所があるにもかかわらず、畑を手に入れることはとても難しい事なのです。

2015年9月19日土曜日

第26回目:圃場管理、講義

ここから先の作業は、もう片付けしかありません。なんだか寂しいですが、来年のためにもきちんとやっておきましょう。

【実習】スイートコーンネット外し

スイートコーンの播種は6月13日でした。たった3か月で収穫まで終わり、ネットを外します。

このネット、張るときは絡まっちゃって大変でした。来年はそういうことのないように、キレイにたたんだつもりですw

【実習】個人圃場防風ネット外し

防風ネットを張ったのは5月17日でした。ネットの支柱を打ち込むのは大変でしたが、抜くのはあっという間です。

【実習】カボチャ収穫

基本的に取れるものは取ってしまいつつ、片付けもします。

ハロウィンカボチャがこんなにw

そして今年最後のスイカタイム。

今年はイチゴとスイカ、めっちゃ食べました・・。

【実習】ハウス片付け

実習の中で、最も長きにわたってお世話になったトマトさんたち。果実は取れるだけ取って、彼らにも感謝をしながら片付けます。

来年の生徒さんが、また実習をすることになるのでしょう・・。


【講義】流通の動向と対策

酪農学園大学の先生に講義をしていただきました。食生活の変化から消費の変化、それと農産物の生産の関係をあらためて考え直すと、いろいろ考えさせられますし、今後自分自身がどう向き合っていくべきか、とても良いヒントになった気がします。また、来週見学する卸売市場のあたりは全く知識がなかったので、大変参考になりました。

2015年9月12日土曜日

第25回目:圃場管理、講義

販売実習が終わった、という事は、もう「片付け」モードに入るという事です。季節もすっかり秋になりました。日が落ちるのも早くなりましたね・・。

【実習】スイートコーン収穫

販売実習では「一番果」を取りましたが、二番果、三番果でも良い物が取れるので、取れるだけ取ります。収穫は、穂が黒くなっているものを選びますが、触ってみて、身がしまっている感じのもので、肩の部分がしっかり張っているものを選びます。


【実習】エダマメ収穫

販売実習には間に合わなかったエダマメですが、一週間経って良い物が出てきましたので、こちらも収穫します。

根を引っこ抜いてみると・・根粒菌が付いていますね。でも、ちょっと少ないかなぁ・・(^_^;)


寝ている株が多かったのが気になりました。ここの圃場は風が強いのですけど、そのほかにも理由があるのでしょうか・・?


【実習】イチゴの片付け

6月には大変お世話になったイチゴさんたち、株を更新するために、撤去します。さようなら・・どうもありがとう・・。

あれ?7/25にやった苗取りで、定植し忘れたものがいくつか発掘されましたw

防草シートもベリベリ剥がして・・あぁ、なんだか寂しいものがありますねw

【実習】イチゴの管理

とはいえ、彼らの子孫(?)は、来年の研修生に引き継がれます。8/8に定植済みの株が育っています。

これらを越冬に向けて管理をします。やる事は

  • 伸びているランナーを切ること
  • 枯葉を取ること
  • 下葉で汚いものを除去(葉かき)する事

です。概ね3〜4枚、葉が残す感じにします。

重要なのは、葉の取り方です。決してハサミで切ってはいけません。葉は根元からねじり取ります。

このように「はかま」から取る事が重要です。葉が枯れるのははかまから枯れるそうで、そこから灰カビがつくという事です。灰カビは「枯葉」につきます。生きている葉に着くのが「うどんこ」です。

株元は綺麗に!枯葉は残さない、というのが鉄則です。美味しいイチゴを食べたかったら、ここは頑張るしかないですねw

ご覧の通り、かなりスッキリしました。

最後に、先ほど剥がした防草シートを、新しいところに貼り直します。

【休憩】スイカの大抽選会(笑)

スイカが取れる季節は、休憩時間にもれなくスイカが出ます。初夏はイチゴ、夏はスイカ。農学校、最高です(笑)

ただ、スイカの季節ももうおしまい・・という事で、取れたスイカをみんなで分けるのですが、順番クジで当たった人から選別できる、という大抽選会が始まりましたw

私は・・見事「2番」をゲット! でも、初めの番号を引いたからといって、どのスイカがうまいのか、外見からでは全く判別できません(笑)よくポンポン叩いて音で判断する、とか言いますが、それはプロでも相当難しいそうですよww

結果的に、直感で選びました。じつは、その数日後に子供達をあつめて自宅でBBQをやったのですが、その時のおやつとしてスイカを半分に切ったものをまるごと提供しました。子供達の好きなようにかぶりつかせましたが、大変評判が良かったようです。自分も一切れ食べましたが、大当たりでした!w

【実習】トマトの収穫

ハウスのトマトの収穫です。もうだいぶ終わりに近づいてきました。

割れているものも多いですし、うどんこ病になっていますね。
でも、まだもう少し収穫が続きそうです。トマトはとても息の長い作物です。

【講義】修了生の就農・NPO活動と農業参加

NPO法人さっぽろ農学校倶楽部、同じくNPO法人グリーンライフさっぽろから、それぞれお話がありました。どちらも大変興味深い活動をされていますし、なんせ圃場が自宅から近いので、来年はおそらくお邪魔していると思いますw

次に、第5期生の卒業生、川瀬農園の川瀬さんから、ご自身の貴重な体験談を聞かせていただきました。とても参考になる話ばかりで、大変良かったです。今度圃場にも見学に伺いたいと思います。

最後は事務局の方から「札幌市農体験リーダー」についての説明がありました。おもに市内の小学校に出向いて、出前教室をやるボランティアです。

子供の頃の農体験って、すごく強烈に残る気がします。そもそも自分がそうでした。うちは農家でもなんでもないですが、当時借りていた市民農園で育てたトウキビをもいだり、ジャガイモを掘ったり、自宅の庭にあったヒョロヒョロのアスパラを取った記憶が残っています。そして、強烈なのは、それを食べた記憶です。やはり自分で取ったものを食べる、という事と、とれたての野菜の美味さの記憶は鮮明に残っているんですよね。農学校の同期も、そういう原体験を持っていて、大人になってから農業に関心が向かった人たちが多いです。

そういう意味で、子供の頃の農体験は大事だと思います。だからこっちもやろうかなw

2015年9月5日土曜日

第24回目、販売実習(収穫感謝祭)

さぁ、とうとう販売実習という最難関がやってまいりました!

結論から言うと・・大変良い経験をしました。ですが、正直、そこにたどり着くまでがとても大変でした。全てが未経験であり、それに携わる人間全員がそうであり、しかもそれを統括する役割 + 本業の仕事がピークの忙しさ、という、まさに寝る暇もないくらいな一ヶ月間でした(笑)

【実習】販売実習準備

販売実習は土曜日ですが、それにむけての調整作業や収穫、準備など、やる事は山程あるわけで、そのために木曜、金曜と朝早くから全員で作業をします。

バレイショ収穫(9/3)

カラージャガイモ事件(笑)で急展開がありまして、なんと農学校の卒業生で現在プロの農家をやっていらっしゃる先輩から、2畝分を提供してくれる事になりました。ありがたい話ですし、農業って助け合いだなぁ・・としみじみ感じた次第であります。

そんなわけで、木曜日の早朝から、先輩の圃場に数名でお伺いしてみんなで芋掘りです。さすがプロの農家の土は違う・・前日豪雨だったので、ドロドロなのを覚悟で行ったのですが、全くそんな事はなく、ほどよく肥えて見るからに団粒構造がすばらしい(笑)とても良い土でした。


全部で8ケース分だったかな・・重さにしたら100kg以上だと思います。これを朝っぱらから大汗かいて芋掘りをやってきました。

調整作業(9/3)

学校に戻ると、みんなはそれぞれ調整作業に入っていました。

タマネギは、悪いものを選別しつつ、磨いて根をきれい切って、大きさを分けます。作業途中で雨雲っぽいものが見えてきました。せっかく乾かしたのに、ここで濡れては大変なので、皆で協力して手早くやります。

ニンジンは前に収穫したものをさらに選別して水洗い、その後、頭をきれいに切って乾かします。

その後は袋詰めする人たちと、そのまま調整作業する人たちとに分かれての作業です。


だんだん売り物が積み上がってまいりました。いい感じですね!

シシトウ、ナンバン、ピーマン収穫(9/4)

翌日は雨。この農学校の圃場は水はけが極端に悪く、雨が降ると川になりますww そんな中でも収穫です。

エダマメ収穫(9/4)

今年はなぜだか出来が悪いのです。生育が遅いので、残念ながら販売に間に合わないものが多い感じでした。良いものを選んで収穫します。

枝付きで販売するので、葉をハサミでバシバシ落としていきます。
このあたりの作業は忙しかったので、写真には残っていません。だれか撮ってるかな?

コマツナ・ホウレンソウ収穫(9/4)

葉物の収穫は難しいです。とくにコマツナ、ホウレンソウは人気が高い野菜ですけど、雑に扱うとポキポキ折れちゃうし、ハウスできれいに育てているものを収穫時に土で汚してしまったら商品価値が下がります。細心の注意が必要です。

鎌を根本に差し込んで、土の中で根を切るような感じで先に切っていきます。本当は収穫する30分くらい前にそれをやっておけば、少ししんなりして折れることも少なくなると言うことですが、今回はとにかく時間がなかったので、待つことなくやりました。
根を上にして、コンテナに詰めていきます。

それを別の人が袋詰めをしていきます。この袋は葉物用の袋で、下に穴が空いているものです。袋に詰めたものを、水をいれたバットに立てて入れていきます。こうすることで、翌日の販売の時には「シャキッ」とした形の商品になります。

テント設営準備など(9/4)

夕方には、テント設営の準備を行います。だんだん実感が湧いてきましたね。
別のところでは、イベントの準備やらPOP作りで大忙しです。つか、マジ忙しかったのですが、販売当日は朝5:45集合ですので、適当に切り上げて本番に備えます。とか言いながら、なかなか切り上がらなかったわけですが(笑)

スイートコーン収穫(9/5)

心配された天気ですが、なんとか大丈夫そうです。朝焼けがきれいでした。

ですが、前日からの雨で、圃場は泥沼です。そんな中「朝取りトウモロコシ」のために、みんな早朝から「トウキビジャングル」に分け入って収穫しまくります。

たしか800本だったかな・・。予定ではもっと取れるはずだったのですが・・。

販売実習(9/5)

販売は朝9時からスタートです。急いでお店を作ります。
これは開店前の様子です。
ちなみに手前の看板は、うちに余っていた板を塗装して、足は豊滝の森から副代表が集めてきてくれたものを、DIYが得意なSさんに組み上げてもらったものです。

店が出来上がっていく様子を見た時には、ようやくここまできたなぁ・・という感じでした。本番はこれからなんですがw

開店してからは、ほとんど写真など撮っている余裕もなく、あっちへ行ったりこっちへ行ったりでした。大変多くのお客様に来ていただいて、販売担当はみなテンヤワンヤでしたw
開店直後の様子。この後ものすごい数の人が押し寄せますw

今回はアクシデントがあったり、収穫が思わしくなかったりでどうかなぁ・・と思ってましたが・・蓋を開けてみれば、なんと午前中で完売!!これは史上最速の記録だそうです。それって、ものが少なかったからじゃね?という見方もあるかもしれませんが、売上は例年とほぼ一緒。例年よりも人数が少なく、いろいろ不利だったことも合わせて考えると、大変効率よく販売ができた、ということになります。

いやぁ・・スバラシイ!!!!! 一ヶ月以上前から、みんなで準備してきた甲斐があったというものです。

その後の「打ち上げ」も、たいへん盛り上がりました。
とにかくビールが旨かった\(^o^)/


しかし、この販売実習をやって学んだことがたくさんありました。農産物は、収穫してからも大変な手間がかかります。とくに商品価値を持たせるためには見た目重要です。やはり見た目が綺麗な物から売れてきます。スーパーで売っている野菜、いわゆる規格品ってやつは、みんな形が揃って綺麗ですよね。そういう物をまとまった量作る事は、めちゃくちゃ大変な事だという事がよくわかりました。
また、少しでも傷んでいる物は商品価値がない、という事ではねます。もったいないので、はねた物は生徒で分けましたが、実際の現場では廃棄です。この「フードロス」ってすごい量なんだな、という事も実感しました。
さらに、野菜は鮮度が大事です。だから収穫のタイミングを考える必要があるし、収穫後の管理もきちんとやらないといけません。でも、そこまで手をかけても、一般的な野菜の単価はそれに見合う物ではないように思います。大変厳しい世界だ、という事も実感しました。

まぁ、とにもかくにも、朝5:45集合で始まった長い1日がようやく終わりました。
みなさま、大変お疲れ様でした!! 大成功でしたね!!!