2015年10月31日土曜日

最終回:成果発表会

とうとうこの日がやってまいりました。最終日です。この半年間、毎週土曜日は札幌市農業支援センターに通う日々が続きました。それも今日でおしまいとなると、とても寂しい感じがします。

成果発表会

とりあえず、お約束なんでスライド貼っておきますねw



実習生、全員が持ち時間約10分で発表します。人によって時間はまちまちでしたが、僕の場合は20分喋りましたww(だって喋っていいって言うんだもん)

内容はスライドを見ていただくとして・・しかし、全員、同じものを作っているはずなんですが、みんな発表の視点が違っていて大変面白かったです。ましてや、実習生は20代から60代まで、幅広い年齢層で、みんな職業違うし、農学校に入った目的もバラバラなので、一つとして同じものが無い皆さんの発表を聞いて、とても素晴らしいと思いました。金子みすゞじゃないけど、「みんなちがって、みんないい」ですよ。やっぱ多様性って大事ですね・・・。

というわけで、次週、11/7は修了式になります。とりあえず無事卒業出来そうですw。そして、私、今期の修了生代表を拝命いたしまして、謝辞を述べなければなりません・・学校の卒業式ですから・・うーむ(苦笑)

一応修了証書を頂くまで、本当に修了したとは言えないのですが(笑)このブログも「研修日記」という事では一旦修了させていただきたいと思います。この半年にわたり読んでいただいた方々、どうもありがとうございました。


最後に

このさっぽろ農学校では、とてつもなく濃密で、本当に素晴らしい経験を得る事が出来ました。学校関係者の皆様、本当にありがとうございました。

そして、もしこのブログを読んで興味を持たれた方、いつでもご連絡ください。自分も入校する前は、ネットで情報を探してみたのですが、今ひとつ見つからなかったので、今後の方の為にもこのブログは残しておきます。

全てが終わった後、仲間数人で、何もなくなった圃場を見納めて来ました。


さてと・・謝辞を書かなければ・・(汗)

2015年10月24日土曜日

第31回目:圃場管理、講義

とうとう今日で実習はおしまいです。個人管理圃場は完全に撤収します。

【実習】ヤーコン収穫

一番最後の収穫物、ヤーコンです。このヤーコンは必須栽培野菜なので、全員が作っています。はじめの頃はアブラムシにやられてぐんにゃりしてたのですが、とても立派に御育ちになられました・・。


収穫の為に、まずはバッサリ切ります。

マルチもはがします。

ヤーコンはとても傷がつきやすいし、ぽきぽき折れます。なので、収穫は慎重に行います。

ヤーコンは自分も初めて栽培しましたが、出来ますねぇ・・。

【実習】圃場片付け

最後、あんなににぎわっていた畑が、マリーゴールドを残してすべていなくなりました。来年・・というか、おそらくこの圃場を使うのは再来年でしょうか?それまでゆっくりお休みください・・。

ちなみに取り損ねたネギが一本、生えてました(笑)

そして、最後にさんざんお世話になった資材庫を清掃して終了です。

学校の圃場には大変お世話になりました。ほんとうにありがとうございました!!

【最終講義】総括、質疑

最後にこの一年間担当してくださった吉岡先生より、全般的な統括がありました。やはり農業と切っても切り話せないのが病害虫です。

おいしい野菜に虫がつくのは、それは野菜がおいしいから当然なのですが(笑)虫がついた野菜は売れません。かといって、虫が食べないおいしくない野菜は、虫がついていないので売れます(笑)。自給する分には、虫がついていても良いでしょうけども、商品を作るとなるとこれがなかなか難しい。戦いです。

病気もしかり。ただ、基本的に「菌」はどこでもいる訳で、そいつらに負けないようにしなければなりません。

基本は「肥料を遣り過ぎない事」
肥料が多い → メタボ → 病気にも弱いし、虫もつきやすい
という事で、このさじ加減ですね。

さて、いよいよ次回は成果発表会、つまり、卒論発表の日となります(笑)プレゼン資料作らなきゃ・・w

2015年10月17日土曜日

第30回目:講義

今日は実習がありません。そして、とうとう講義も最後となってしまいました。今回も、今後に向けた有意義な内容になっています。

【講義】農業生産工程管理手法

いわゆる「GAP」のお話です。GAPとはGood Agricultural Practiceの略です。最近は良く聞く単語ですね。

GAPと同時に語られる事が多いトレーサビリティですが、GAPは生産工程管理をする事によってリスク回避を先んじてやる、という事に対し、トレーサビリティは、何かあった時に、後から遡及するためにあるものです。

GAPも3種類あります。これは単純に知らなかった。
  • 第1者認証:基礎GAP
  • 第2者認証:JAや卸販売業者が定めるGAP
  • 第3者認証:JGAP、グローバルGAP

JGAPについて

参考:日本GAP協会

農林水産省が導入を推奨する農業生産工程管理手法の1つ、という事です。そして基準書は公開されています。
講義では4つの基本項目が挙げられていました。
  1. 農産物の安全性
  2. 環境への配慮
  3. 生産者の安全と福祉
  4. 農場管理と販売管理
特に3と4は、一般企業にも通じる考え方ですね。生産者を労働者に、農場管理を生産現場、販売現場、なんかに置き換えると分かりやすいです。

JGAPの話を聞いていると、これは農業版の品質ISOだなぁ、と感じました。自分も前職は製造業にいましたので、そういう所から見ると、別にフツーにやっている事だよなぁ・・とも感じました。

でも、日本の農家は概ね家族経営の個人事業主みたいなものなので、長年問題なくやってきていたのに、いきなり工程管理!なんて言われても・・それは相当難しい話なんだと思います。ただ、これから新しく始めるのであれば、最初から念頭に置いておくべき事だと感じました。基準書は営農マニュアルとしても参考になるかもしれません。

【講義】経営計画

一般的な農業のイメージから離れている「経営計画」の話です。でも、一般的な個人事業や企業でも、なんていうかごく当たり前の話ですね。

経営計画を作って、PDCAサイクルを回しましょう、その計画も目標を決めて、生産基盤(インフラ)、労働計画(人事)、損益計画(経営)などなど、多面的に計画を立てていきましょう、という話です。

面白かったのが、試算計画法(バジェッティング法)を使いましょう、という部分で、農業改良普及センターが開発したエクセルシートがある、という話です。その実際もデモで少し見させてもらいましたが、例えば営農類型のマスターデータが仕込んであるので、栽培作物の品目、栽培面積などを入力すると、予想される収支が自動で計算されます。

なんというか、こういうものがあるのですね・・
なんだか、ちょっと安心(?)しましたw

2015年10月10日土曜日

第29回目:圃場管理、講義

実習があるのは、今日を入れてあと2回しかありません。あっという間でした。実習と言っても、やる作業は「片付け」だけです。

【実習】イチゴの管理

最後のイチゴ管理です。枯葉をとってランナーを切ります。

 すっきりしました。
来年の実習生のために、たくさん実をつけてくださいねw

【実習】サツマイモ収穫

北海道でサツマイモができる、というのは、結構皆さん驚かれますが、ご覧の通り、マルチをしてやることで立派に育ちます。

土の中から出てきました。品種は「安納芋」です。焼き芋にすると、何もしなくてもスイートポテトになるやつですw

収穫したものはガラスハウスに入れてキュアリングします。

ちなみに以前収穫したカボチャ類、まだ残っているので、抽選会を行って皆で分けました(笑)

【実習】自主管理圃場片付け

今後実習の時間がほとんどないので、個人圃場を片付けます。

一気にがらんとしちゃって寂しくなりましたね。

ズッキーニですが、黄色の品種の「オーラム」の成長っぷりがすごかったです。写真では分かりにくいかもしれませんが、緑色の「ダイナー」に比べると圧倒的です。一週間に一度というペースだと、実が大きくなりすぎて毎回困るくらいでした。
オーラム 
ダイナー

【講義】新規就農について

北海道農業公社から講師に来ていただいて講義をしていただきました。前回の内容と若干被る部分もありましたが、より具体的な話が聞けてよかったです。ただ・・膨大な借金をして新規就農するケースも紹介されましたが、正直少し違和感を覚えました。借入の額に対して実際にペイできる仕事ができるのか・・?という率直な疑問です。特に畑作や野菜は収益という観点からすると相当厳しい世界ですし、普通に家族経営で事業を立ち上げる感覚から見ると(農家は個人事業主)今時の感覚からすると初期投資の額が一桁違うんじゃないか?という気がしました。補助金の制度など確かに充実していますが、45歳を境目にして(未満、というのがミソ。つまり44歳までになんとかしなきゃなりませんw)極端に違うというのもよくわかりません。

農業生産法人に就職したり、もしくは自分自身で法人を立ち上げるのであればまた話は変わってくると思うのですが、農業とは縁のない人が農家になりたい場合(つまり農業に転職したい場合)、未だに大変な壁を乗り越えなければならず、しかも相当のリスクを背負う必要があります。農業は食料を作るとても大事な産業だと思いますが、ちょっと独特だよなぁ・・というのが正直な感想です。

個人的には、今時は何でもかんでも「保有」する必要はないのでは?と思いますし、品種を絞って専業で大量生産、なんていうのも、法人化して大規模にやる以外ではちょっと考えにくいよなぁ・・と思います。

2015年10月3日土曜日

第28回目:圃場管理、講義

農学校は皆勤するつもりでした。ですが、今日は大変残念なことに、午前中の実習を休んでしまいました。理由は「仕事が詰まりすぎた」からです。

今、農業とITの両立を一生懸命トライしていますが、これが本当に難しい。そもそも頭も体も使う場所が全く違うし、仕事で求められることが全く違います。

完全にコントロールするのがITの仕事ですが、完全コントロールがそもそも不可能なのが農業。考え方をカチッと切り替えないと、いろいろ失敗もします。

一番難しいのが、やはり時間管理です。スケジュールが狂うとどこかで調整しなければなりませんが、農業は結構待ったなしな世界。作業できる時間が昼間しかなかったり、雨が降るとできなかったり・・と、不確定要素が非常に多い中で両立していくのはとても難しいです。

そんな全く異なる世界の両方に首を突っ込んでいるわけですが、双方に共通することとしては・・ バグ(Bug)がいる、ということでしょうかね?w

【講義】新規に農業を始めるために

札幌市の農政部の方がいらして講義をしてくれました。実際に担当されている方の生の声なので、これがまためちゃくちゃ実践的です。

札幌の農家の数は、ここ20年で半減しているそうですが、野菜の産出額という部分では、道内で17位にあり、結構な規模なのが意外でした。

就農するための補助金制度や、研修制度などの細かい説明もありました。実は研修農家がうちの近くだったりしたわけですが・・まぁ、やはり新規で専業農家をやろうと思ったら、もう本当に大変なことだということを改めて認識しました。この辺の話はあちこちで何度も聞いた話なのですが、何度聞いても厳しいです(笑)

ただ、自分が目指すところは半農半IT。言ってしまえば兼業農家に値するのかもしれませんが、そういう路線を歩もうとした場合、この手の既存の制度をそのまま適用することは不可能だ、という事もよくわかりました・・不可能というか、前例がない、という方が正しいでしょうか(またかよw)。

ただ、今までは全く見当もつかなかった部分が、少し見えてきた気もします。動かないと物事は進まないですしね・・。